耳・鼻・のど・口腔の病気

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耳・鼻・のど・口腔の病気

●耳の病気

●鼻の病気

●のど・口腔の病気

耳の病気

外耳炎
耳の穴の入り口から、鼓膜までの部分を外耳と言います。皆さんがいつも耳掃除をしているところです。外耳道炎は耳の穴の皮膚が炎症を起こし、痒みや痛みを生じます。耳掃除による綿棒による過剰な擦過が主な原因です。耳たぶを引っ張ったり、耳の入り口を押したりすると痛みが増強するのが特徴です。

外耳道湿疹
外耳湿疹は外耳道炎の延長でもあります。耳の中にできた皮膚の湿疹と考えていただけばと思います。治療は外耳炎や皮膚の湿疹の治療と同じですが、綿棒などで触りすぎないようにしないと、いくら軟膏を塗っても良くならない場合もありますので注意が必要です。

急性中耳炎
急性中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳の部分が炎症を起こす病気のことです。風邪などの時、鼻の奥(上咽頭)にいるバイ菌が、鼻と耳をつなぐ耳管という管を伝わって中耳まで侵入したときに中耳炎を発症します。鼻のバイ菌が耳へ行くのです。耳から水が入って中耳炎になるわけではありません。中耳炎を起こしますと、鼓膜が腫れ、中耳に膿がたまり、痛みや発熱を生じます。普通は抗生剤や消炎鎮痛剤での内服や点耳薬による治療を行います。重症の場合や痛みが強い場合は鼓膜切開を行い膿を出す治療を行います。切開した鼓膜は中耳炎の寛解とともに、閉じてくれます。それと、鼻の奥の炎症の状態が中耳炎の治りには大切なので、耳鼻咽喉科では耳の治療と並行して鼻の治療も行います。中耳炎の抗生剤は指示通り一定期間飲みましょう。

滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、中耳に膿がたまった状態の病気で、難聴が主な症状です。耳の痛みはありません。耳が痛い急性中耳炎が十分に完治せずに、滲出性中耳炎になる場合と、耳が痛くなる急性中耳炎にならずに、滲出性中耳炎になる場合があります。中耳にたまった膿を確実に排泄できる特効薬はないので、多く患者さんは治療が長期におよびます。通気治療や鼻の治療が大切です。長期化して治りにくい場合は、鼓膜切開や鼓室内チューブ留置術という手術が必要な場合もあります。当院では耳鼻咽喉科的な治療だけでなく、漢方薬なども処方しています。

慢性中耳炎
中耳炎を繰り返すうちに慢性化してしまい、鼓膜穿孔と耳漏が続く中耳炎です。長い期間耳漏が持続してある場合と、風邪などで体調をくずしたときだけ、耳漏がでる患者さんがおられます。こまめな耳処置と症状に合った抗生剤で症状は軽減できますが、難聴の強い例や、炎症を軽減できないときには手術が必要な場合もあります。

耳管狭窄症
耳と鼻をつないでいる管の通りが悪くなり、外気と耳の中で気圧の調節がうまくいかなくなった状態です。飛行機に乗って耳が痛くなるのはこの状態です。耳閉塞感と軽度の難聴を伴います。耳管通気治療と鼻の治療を行うことで改善します。耳管狭窄症から滲出性中耳炎になる場合もあります。

耳管開放症
耳と鼻をつないでいる管が開きすぎて、鼻腔の気圧変化や空気の流れを耳(中耳)で感じてしまい不快を感じる病態です。自分の声が耳で響いて聞こえたり、自分の呼吸音が聞こえたりします。漢方製剤で加味帰脾湯という薬が良く使われていますが、当院では腹診をはじめ漢方本来の診察にて処方を選択しています。

難聴
音の伝わりを妨げている場所により難聴は分類されます。

外耳:耳垢栓塞など
中耳:鼓膜穿孔、中耳炎(急性、滲出性、慢性)、耳管狭窄症
内耳:突発性難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病、騒音性難聴、老人性難聴
脳神経:聴神経腫瘍

難聴はその原因を調べることがとても大切です。聴力検査をはじめ様々な検査で調べてもらいましょう。

耳鳴り
耳鳴りでお悩みの方は、年々増えています。耳鳴りは原因となる難聴がある場合と、難聴を伴わない耳鳴りがあります。治療できる難聴がある場合は、その治療をします。難聴が改善すれば耳鳴りも軽快するからです。病気としてのはっきりとした難聴がないこれ以外の耳鳴りの患者さんがとても多いのですが、西洋医学治療では、ビタミン剤、循環改善剤、神経遮断剤、安定剤などを服用しますが、いくら飲んでも一定以上の働きはなかなか現れません。当院では、漢方治療をはじめハリ治療などを積極的に取り入れています。また、耳鳴り患者さんは、首や肩の凝りがかなりの頻度で認められます。当院ではそのような事実に基づき、頚部から肩にかけてのハリ治療も行います。漢方薬治療とハリ治療で多くの患者さんは耳鳴が軽減しています。耳鳴りの治療のページをご参照ください。

めまい
めまいに関してはめまいのページで詳しく解説しておりますので、そちらをご確認下さい。

鼻の病気

アレルギー性鼻炎
鼻水、鼻づまり、くしゃみ等の症状に悩まされるアレルギー性鼻炎は、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを体内から追い出す働きの一つとして起こる生体反応です。ダニなどのハウスダストやスギやヒノキなどの花粉が主な原因です。人によってアレルギー症状の程度や種類が違いますので、患者さん一人一人に合わせた治療が必要です。当院では西洋医学的治療薬だけでなく、体質改善の働きが期待できる漢方薬を使用して、よりアレルギー性鼻炎をおこしにくい体づくりをお手伝いいたします。

花粉症
花粉症は、アレルギー性鼻炎の中で、花粉を原因とする鼻炎のことです。ですから花粉症はアレルギー性鼻炎です。花粉が飛散している期間だけであれば、アレルギーのお薬で治療すればよいでしょう。最近各種のアレルギー薬が発売されており、花粉症の症状を緩和できます。ただし、アレルギーの薬を飲めば必ず楽になるわけではないので、専門医に薬の組み合わせなどを工夫してもらう必要があります。自動車の運転手、受験生などで眠気などの副作用が気になる場合は、漢方薬だけで花粉症を乗りきることも可能ですのでご相談ください。

急性副鼻腔炎
副鼻腔とは、鼻腔に隣接した骨の中にある空洞です。ここに炎症が生じる病気が副鼻腔炎です。風邪に続いて起こるケースが多いです。顔の骨を押さえたら痛いときは急性副鼻腔炎の可能性が高いです。早期の抗生物質の投薬が必要ですので、耳鼻科を受診してください。基本的に身体の抵抗力が疲れや病気などで低下している際に、発症しやすくなります。睡眠を多くとり、身体に無理をかけないことも重要です。

慢性副鼻腔
急性副鼻腔炎が治らずに慢性化した状態です。一般的には”蓄膿症”と呼ばれています。慢性的な頭痛や鼻汁により、生活に支障をきたします。根気よく治療することで、かなり症状は改善できます。また、慢性副鼻腔炎には漢方治療をおすすめしています。当院で本格的な漢方治療を行っています。

鼻茸
鼻腔に粘膜が浮腫性に膨らんで、鼻の中にできるポリープのような病気です。鼻づまりの原因になります。小さなものはステロイド治療で縮小できますが、大きなものは外来手術で摘出することになります。

術後性頬部嚢腫
過去に鼻の手術を受けた人で、何年も月日がたってから、手術をした後がふさがって袋状になり、そこに炎症を起こす病気です。顔の痛みと、腫れが特徴です。軽いものは内服治療で改善できますが、重症では手術が必要です。CTなどの検査も必要になりますのでご相談下さい。

鼻出血
鼻出血は鼻の中にある毛細血管が集中したキーセルバッハ部位という場所からの出血がほとんどです。症状に合った処置を行えば、たいてい出血は5~15分くらいで止めることができます。なかなか血が止まらない方は、血液疾患など別の原因が関係している場合やバイアスピリンなどの血液をさらさらにする薬を飲んでいる場合では鼻血は容易に止血しませんので、耳鼻科にご相談ください。

【鼻出血の止め方】
・座った姿勢になる(鼻を心臓より高い位置に持っていく)。
・出血部分を、鼻をつまむなどして圧迫させる。
・少し前かがみになるとより良いです。
・一度挿入したティシュは取り換えないでください。

嗅覚障害
嗅覚に異常をきたす症状のことですが、においの神経がウィルス感染などで麻痺してにおいがしない状態と、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などの鼻の病気や形態異常によってにおいの成分が嗅神経まで到達できないことによりにおいがしない場合があります。治療法としてはステロイド点鼻薬を用いた治療が一般的です。

いびき
いびきは鼻腔からのどにかけての空気の通りが悪い状態を示しています。鼻から十分な呼吸ができればいびきをしません。
後述しますが、睡眠時無呼吸症候群と大きく関係しているのがこのいびきです。いびきはのどの筋肉の弛緩と空気の通り道である気道が狭くなってしまうことによって引き起こされます。内視鏡で鼻からのどにかけての空気の通過障害がないか検査を受けましょう。

のど・口腔の病気

風邪によるのどの痛みや発熱(急性咽喉頭炎)
風邪をひくとのどが痛みます。のどの粘膜に風邪のウィルスが侵入して炎症を起こしたからです。粘膜の中に侵入してしまっているので、この段階で実はうがいの効果は期待できないのです。うがいはあくまでもウィルスが粘膜の表面に付着している段階までの殺菌にすぎません。のどが痛いといえども、のどの痛みはのどからだけでは治療できません。のど飴やうがいで時間を浪費してしまいますと、風邪が悪化してしまいます。速やかに、風邪の治療と安静、睡眠により初期の風邪を退治しましょう。風邪はどんな場合も全身疾患です。のどの治療に専念しすぎると、悪化の要因になります。

急性扁桃炎
口からのどを覗きますと、のどの両脇にアーモンドの様な形をした扁桃が鎮座しています。のどの守りの中心です。この扁桃がバイ菌の侵入に対して戦場と化した状態が、急性扁桃炎です。何しろ守り神が戦っているのですから、のどの痛みは尋常ではありません。耳の下のリンパ節も腫れて痛みますから、耳が痛いと勘違いすることもあります。点滴などの抗生剤の治療が必要です。すぐに耳鼻科を受診してください。

扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎が重症化しますと、扁桃の裏側に膿がたまって、扁桃とのどが非常に腫れ上がる病気です。危険なレベルの扁桃です。のどを切開して膿を出したり、さらには点滴治療、入院治療が必要な場合もありますので、注意が必要です。口を開けにくくなりますので、そのような症状を感じたら、ただちに耳鼻科へ直行してください。

慢性扁桃炎
扁桃の炎症が慢性化した病態ですが、慢性化すると、腎炎や掌蹠膿疱症(皮膚の病気)などの原因になっている場合もあります。のどの痛みがいつまでも治らない、風邪を引きやすいなどがある場合は、扁桃を調べてもらいましょう。

アフタ性口内炎
口腔や舌に、アフタといわれる白いものが付着したビラン状の病変が多発する病態です。ビタミンB剤の投与やステロイドの軟膏治療を行いますが、頻発する場合は漢方治療が有効です。

声帯ポリープ
声帯の粘膜の一部にしこりができた状態です。歌手、アナウンサー、教師等、大声を頻繁に出す人や、お酒やタバコでのどに普段から負担をかけている人に比較的多く見られる病気です。症状としては、声がかすれます。一定の期間、声を出さないようにすることは大切な治療です。吸入療法や内服薬による治療を行います。それでも経過がよくない場合は声帯ポリープの切除手術を行います。

睡眠時無呼吸症候群
2003年の新幹線の運転士の居眠り運転による事故で大きく取り上げられるようになりました。夜間の睡眠時に10秒以上呼吸が止まる現象が1時間以内に5回以上生じている症状を睡眠時無呼吸症候群と呼びます。睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気、仕事の能率の低下、居眠り運転など社会生活に支障をきたす症状をもたらします。
いびきは睡眠時無呼吸症候群の一歩手前の症状と言えます。空気の通り道である気道の狭窄や、舌の圧迫により、空気の通り道が塞がれることにより症状が現れます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法としては、減量や横向きに寝ることで症状は改善されます。いびきと同じで鼻の通気が良くないと改善の妨げになります。鼻の治療も絶対に必要です。重症例ではのどの一部を切除することで気道を広げる手術を行うこともあります。